1972年、雑誌「新劇」に戯曲が掲載され、つかこうへいの本格的な演劇デビュー作となった作品。
以後、改訂を繰り返しながら再演を重ね、1979年には、紀伊国屋公演にて登場したキャラクター・ディープ山崎を主人公に据えた「広島に原爆を落とす日」へと発展していった。
あらかじめ脚本を用意せず、稽古場で役者に口立てでセリフをつけて芝居を創っていくことで有名なつかこうへいだが、本作の上演時には演出を担当しておらず、戯曲として執筆された数少ない作品の一つである。
作品中には、のちに生み出される数々の作品と同じモチーフがいくつも用いられており、その後の全てのつかこうへい作品の原点とも言える作品である。
あの戦争が終わって三十年…。
配達員のミスにより、三十年ぶりに召集令状を受け取った岡山八太郎は、戦地に行くことができなかったという屈辱の日々の恨みをはらさんがため、署長の山崎、局長の熊田に実戦の指導、訓練を受け、戦地へと旅立っていく…。
作/つかこうへい
演出/渡辺 和徳(A) 逸見 輝羊(B)
出演/(A)相良 長仁・杉山 圭一・時津 真人・小山 蓮司・此村 太志・高橋 邦春
(B)木村 明弘・木下 貴博・栗林 広輔・平田 裕司・大江 裕斗・今宮 稜正 他
日程/2015年12月10日(木)〜13日(日)
会場/北とぴあ・ペガサスホール
料金/3000円(当日・前売り共に)
開演時間/10日(木) 19:00(A)
11日(金) 19:00(B)
12日(土) 13:00(A)
17:00(B)
13日(日) 13:00(B)
17:00(A)
Aチーム
「毎日毎日杉山さんと時津さんとあーでもないこーでもないと言いながら稽古しておりますが、全員30代なので最近は立っているのがやっとです。なんとか本番までには最後まで立っていられるよう頑張ります」
戦時中、受け取るはずの赤紙がこそ泥に盗まれ、兵隊として戦地に向かうことができなかった男。30年振りに赤紙を受け取り、憧れの満州へと出征していく。
「今回自分にとってこの作品は、僕がつかさんを知ってから、劇団の門をたたき、指導を受け、のめり込み…今に至るまでの自分の集大成になる作品だと思っています。それだけこの作品には、自分が今まで経験したつか作品すべての元がここにあると感じられたからです。下手な小細工は通用しません。全身全霊、全てをかけてお贈りします。どうぞご期待下さい」
赤紙を盗んだこそ泥を捕まえた警察の署長。岡山に戦地での経験を伝え、一人前の兵士として育てようとする。
「先の戦争が 遺したものとは一体何だったのか。 戦後30年に書かれたこの作品を40年後の現在に上演するという意味。時代の変化とともに変わっていくもの、変わらないもの。しっかりと記憶に残る公演にしたいと思います。」
岡山に赤紙を届けた郵便局の局長。署長とともに岡山を指導しながら、やり切れなかった自分の後悔を岡山に託していく。
「つか先生、24才の頃の作品、、、25になった僕がどこまで挑戦できるのか。日々自分自身と奮闘し、そして諸先輩方と切磋琢磨、試行錯誤して創り上げている作品。是非ともご期待ください!」
岡山の息子・寒太郎、そして岡山を戦地に導く謎の男。
「今年も早いことで、もう12月公演季節です!今回出番は少ないですが、全力で存在感をだして皆さんの記憶に残る役になりたいと思います!天パ以外の個性を見つけるために頑張ります!」
岡山とともに出征していく若者。
「最初台本を読んだとき正直どんな話かよくわかりませんでしたが、やはりつかさんの作品だなと。作り込んでいくうちにドンドン面白くなっていきました。
戦争をテーマにした話でこんな切り口他にありません!
いい意味で期待を裏切れることうけあいです!!!お楽しみに!!!」
岡山とともに出征していく若者。
Bチーム
40年前に書かれた作品を今、舞台上で。いろいろと、難しいこともあります。どんな作品になろうとも、観に来ていただけた方達に楽しんめた、面白かったと、言っていただけるようなものにしたいと思っています。
赤紙を盗んだこそ泥を捕まえた警察の署長。岡山に戦地での経験を伝え、一人前の兵士として育てようとする。
僕が今まで経験してきたこと、感じたこと、劇団で学んできたことを、全部出しきっていきます。
戦時中、受け取るはずの赤紙がこそ泥に盗まれ、兵隊として戦地に向かうことができなかった男。30年振りに赤紙を受け取り、憧れの満州へと出征していく。
基本は若手3人のお芝居です。毎日が挑戦の連続です。日々、変化していっています。難しい戯曲ですが最後まで攻め込んでいきたいです。
岡山に赤紙を届けた郵便局の局長。署長とともに岡山を指導しながら、やり切れなかった自分の後悔を岡山に託していく。
戦後70年。自分が今人間の生と死についてすごく考えさせられる状況を過ごしていますが、こんな状況に、きっかけにならなければ決して生きる事、死ぬ事に目をむける事のない現代にいきる自分達は戦争なんて過去の話と思ってしまいます。それがまた争いをおこすきっかけと思います。この話をきっかけに戦争、生と死に向き合うきっかけになればと思います。
岡山を戦地に導く謎の男。
今回この舞台に参加させていただいて本当に光栄に思います。また、戦争について経験したことの無い僕は、稽古中などいろいろな場面で良い経験をさせてもらっているなと、日々感じております。先輩方々に負けないよう、ひたむきにフレッシュに頑張りたいと思います。そして、夏公演の時よりも約10キロ太った僕も見てくれると嬉しいです
岡山の息子・寒太郎、そして岡山とともに出征していく若者。
戦後70年、『戦争』に触れる事が多かった1年。しかし何を通してみても『戦争』というものがまだ非日常過ぎて今の私には何かを表現するどころか、正直、理解していくことすら難しいと感じます。つかさんが遺して下さった大切な作品。つかさんの言葉をお借りして、私の感じるだけの全てをお届けできるよう、頑張ります。
岡山とともに出征していく若者。
東京都北区王子1丁目11−1
JR京浜東北線 王子駅 北口より徒歩2分
地下鉄南北線 王子駅 5番出口直結
1976年 新潮社刊「戦争で死ねなかったお父さんのために」より
舞台監督/逸見輝羊 照明/酒井明 音響/北区AKT STAGE イラスト/山本周
協力/(株)つかこうへい事務所主催/北区AKT STAGE
共催/ (公財) 北区文化振興財団 東京都北区